メガネを買い替えたときや久しぶりにかけたとき、頭が痛くなったり気分が悪くなったりした経験がないでしょうか。そしてこの感覚は、乗り物酔いに似ていると感じませんでしたか?乗り物酔いは、視覚と耳の中にある三半規管にズレが起こることが原因だと考えられます。視覚で感じ取る景色などの情報と、三半規管が感じ取る振動や傾きなどの情報に差異があるせいで、脳が混乱してしまうのです。度数が合っていないと視覚が正常な状態でないせいで、これと同じような状態になってしまうのです。
でも、購入するときにお店できちんと度数を合わせてもらっているのに、なぜこんなことが起こるのでしょうか。近視の場合、「遠くがどこまで見えるか」で視力を図ります。もちろん、遠くがよく見えるにこしたことはないでしょう。しかし、実際に生活するうえで長い間見ているのは、手元などかなり近い距離ではないでしょうか。つまり、遠くを見るためのレンズで近くばかり見ている、という状態になっている人が多いのです。
眼は、毛様体筋という筋肉によって水晶体の厚みを変化させることで焦点を合わせています。「視力が落ちる」ということは、毛様体の動きが悪くなり、ピントを合わせる機能が低下している状態のことです。実は、度数が合っていないと、この毛様体筋はさらに衰えてしまいます。合わない度数のまま使用し続けると、さらなる視力低下につながってしまうのです。そして視力と度数がさらにずれ、頭痛などの体調不良がある場合は酷くなる一方です。
こんなふうに、知らず知らずのうちに眼にも脳にも負担をかけてしまっているかもしれません。「最近頭がスッキリしないことが多いな」なんて人は、生活スタイルや環境に合わせて一度見なおしてみてもいいかもしれません。